金の星社HPより表紙画像を引用しました。
のはらのひなまつり
作 神沢利子
絵 岩村和朗
発行 1980年10月
出版 金の星社
ページ数 39P
おすすめの年代 3歳〜小学校低学年
あらすじ
今日は雛祭り。ともこは画用紙と色紙でお雛様を作ります。猫のみーやが遊びに誘いにきましたが、ともこは内緒で作りたかったのでみーやを追い出します。
ゆうくんが遊びに誘いにきましたが、ともこは綺麗に飾ってから見せたかったので作っているものを隠して遊びを断りました。
お雛様を作っていると、風が吹いて色紙とお雛様が飛んでいってしまいました。ともこは慌てて追いかけます。ともこがお雛様を探していると、ゆうくんとみーやが木登りをしていました。ゆうくんが飛んできた色紙を1枚捕まえて持っていたので、ともこも木に登って色紙を返してもらいました。
他の紙は向こうのほうに飛んでいった、とみーやが指差した方を見てみると、ねずみたちが色紙を持って駆けていきます。そしてその後から、うさぎたちが色紙を持って駆けていきました。たんぽぽのはらの雛祭りと歌っています。3人は木から降りてついていきました。
たんぽぽのはらでは、ねずみ。うさぎ、きつね、たぬきたちが集まって歌っています。たんぽぽの花で作られたお雛様に混ざって、ともこが作っていたお雛様が並んでいました。飛ばされた時は作りかけでしたが、着物を着て綺麗に完成されています。
ともこは、自分のお雛様がたんぽぽのお雛様と並んで嬉しそう、みんなのお雛様になって嬉しそう、と笑いました。それからともこたちも動物たちと一緒に野原でお雛祭りをしました。
おすすめポイント
黄色と緑を基調に描かれた、ふんわりとしたタッチのイラストがポカポカと温かい春の雰囲気を感じさせてくれます。
ともこが家の中で一人で作業していたところから、たくさんの動物たちが集まるたんぽぽ野原にお話の舞台が移っていくという、ファンタジックなワクワクする展開が魅力です。テンポの良い会話が繰り広げられるので全体的に読みやすく、臨場感があります。また、動物たちの歌う歌も楽しく、耳に心地よく響いて、繰り返し読みたくなります。
お雛祭りをするみんなの柔らかな表情が幸福感に溢れていて、読後に温かい満たされた気持ちになる絵本です。たんぽぽびなの作り方がおまけで載っているので、お子さんと一緒に作るのも楽しそうです。
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