【絵本紹介】ゆきのひのゆうびんやさん

3歳児おすすめ

福音館書店HPより表紙画像を引用しました。

ゆきのひのゆうびんやさん

作 こいでたん

絵 こいでやすこ

発行 1987年11月

出版 福音館書店

ページ数 32P

おすすめの年代 3歳〜小学校低学年

あらすじ

雪の日、3匹のねずみが部屋の中で遊んでいると郵便うさぎさんが小包を届けにきました。小包はおばあちゃんからで、襟巻が3枚入っていました。郵便うさぎさんは風邪をひいてフラフラしています。

郵便うさぎさんに暖炉のそばで休んでもらい、3匹のねずみは襟巻を巻いてうさぎさんの代わりに配達に出かけました。

大雪の中、まずりすの家に、次にたぬきの家に小包を届けます。3番目はあなぐまの家でしたが、冬籠中なので、いっぱいになった郵便受けにはがきと小包を入れました。

あと1軒、きつねのおばあさんのところへりんご箱を届けるところで、ものすごい風が吹き、3匹のねずみは雪の中に吹き飛ばされました。荷物が壊れ、りんごが飛び散りました。3匹のねずみはなんとかりんごを6つ見つけましたが、全てを見つけることはできませんでした。3匹のねずみは襟巻きにりんごを包んで、きつねのおばあさんの家を訪ね、申し訳なさそうに事情を話しました。おばあさんは3匹を労い、1つずつご褒美のりんごを渡してくれました。

3匹のねずみが家に帰ると、郵便うさぎさんは温まって元気になっていました。その夜、3匹のねずみはおばあさんにお礼の手紙を書きました。

あらすじ

人を思いやる気持ちがぎゅっと詰め込まれた、心温まる冬のお話です。

風邪をひいている郵便うさぎさんの代わりに配達に行くことにした3匹のねずみ。配達が完了した時のねずみたちの満足そうな表情がとても愛らしく微笑ましいです。雪と風が強まり、荷物もろとも吹き飛ばされてしまったねずみたちが、雪まみれになりながら必死でりんごを拾う姿は胸が熱くなります。襟巻を自分たちに使わずりんごを包むために使うねずみたちの優しさも素敵です。そして、そんなねずみたちを労い、りんごをご褒美にあげるきつねのおばあさんも思いやりに溢れています。

イラストは色鉛筆で非常に丁寧に細かく描かれていて、吹雪のシーンはその迫力に思わず息をのむほどです。また、動物たちが非常に表情豊かに描かれていて、気付けばすっかり感情移入してしまいます。

初版から年月が経っていますが、3匹のねずみの真っ直ぐな思いやり溢れる姿が色褪せることはありません。何度読んでも心が温まり、感動させられる名作です。

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