【絵本紹介】おおさむこさむ

3歳児おすすめ

福音館書店HPより表紙画像を引用しました。

おおさむこさむ

作・絵 こいでやすこ

発行 2001年1月

出版 福音館書店

ページ数 32P

おすすめの年代 3歳〜小学校低学年

あらすじ

きつねのきっこはおおばあちゃんに温かいマントを作ってもらいました。ふわっと裾が広がって、きっこはとても気に入りました。おおばあちゃんは、きっこの友達のいたちのちいとにいにもマントを作ってくれました。

きっことちいとにいは大喜びでそり遊びに出かけようとしましたが、こんな雪の日には雪坊主が出るから家にいたほうが良い、とおおばあちゃんに止められました。けれど、きっこたちは新しいマントを羽織ってそり遊びがしたかったのです。おおばあちゃんは仕方なく、雪坊主にあっても決して寒いと言わないように念を押して、きっこに温かいお茶の入った魔法瓶を渡して見送りました。寒いと言ったら、雪坊主に凍らされてしまうのです。

きっことちいとにいのマントを見て、動物たちはみんな褒めてくれました。雪がやみ、お日様が顔を出して暖かくなってきた時、岩陰から小さな雪だるまが二つ出てきました。名前はおおさむとこさむと言うそうです。おおさむとこさむはそり滑りに良い場所を教えてくれました。そして、みんなで一緒にそり滑りを楽しみました。

そのうちにみんなすっかり暑くなって、帽子とマフラーを脱ぎました。ちいとにいはマントも脱いでおおさむとこさむに預けてしまいました。おおさむとこさむは、暑くなったみんなにかき氷を振舞います。きっこもマントを脱いで食べるよう誘われましたが、きっこはお気に入りのマントを脱ぎたくなかったのでもじもじしていました。

かき氷を食べながら、おおさむとこさむは頻繁に「寒くないか?」と聞きます。しばらくして、きっこはかき氷を食べるたびにおおさむとこさむが大きくなっていることに気がつきました。もしかすると…ときっこが思ったそのとき、おおさむとこさむが山のように大きくなりました。おおさむとこさむは雪坊主だったのです。雪混じりの風をびゅうびゅう吹きつけて、「さむいといってこおってしまえー」と言います。ちいとにいが寒い、と言いそうになったとき、きっこは魔法瓶に入った熱いお茶を、雪坊主の足めがけてかけました。雪坊主の足が溶けて動けなくなっているうちに、きっこはちいとにいをマントに包んでそりに乗せ、逃げ出しました。

きっこたちはおおばあちゃんの家に辿り着き、ちいとにいも温かい毛布とスープで元気になりました。ちいとにいはおおばあちゃんに新しいマントを作ってもらいました。

おすすめポイント

おおばあちゃんに素敵なマントを作ってもらったきっこたち。深緑に裏地はオレンジで、ふんわりとっても可愛いマントです。ニコニコ嬉しそうにマントを着る姿や、みんなに褒められて得意げな3匹の表情が可愛くて微笑ましいです。

きっこたちが向かった雪山で現れた雪だるまはニコニコ可愛く一見親切なのですが、なんだか怪しい。次第に表情も可愛かった雪だるまとはだんだん違ってきて、不穏な空気が漂います。きっこが気付いた瞬間、世界は一変し、恐ろしい雪坊主が登場します。ちいとにいは「寒い」と言ってしまうのか、きっこたちは逃げ切れるのか、ドキドキハラハラ感がたまりません。雪坊主に勇敢に立ち向かうきっこのかっこいい姿が見どころです。

裏表紙では新たなマントを作ってもらったちいとにいが描かれていて、それが元のマントと少し違った柄で可愛いという、ハッピーなオチもついています。

スリル満点の、怖くて楽しい冬の絵本です。

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