PHP研究所HPより表紙画像を引用しました。
りゆうがあります
作・絵 ヨシタケシンスケ
発行 2015年3月
出版 PHP研究所
ページ数 32P
おすすめの年代 5歳〜小学校低学年
あらすじ
主人公の僕は鼻をほじる癖があります。お母さんは「お行儀が悪い」という理由でいつも怒ります。僕は、ちゃんとした理由があれば鼻をほじってもいいんじゃないだろうか…と考え、お母さんに注意されたとき、僕の鼻の奥にはスイッチが付いていて、スイッチをたくさん押すと頭からみんなを楽しい気持ちにするウキウキビームが出る、と言い訳してみます。お母さんは呆れた様子で、もう十分楽しいからウキウキビームはこれ以上出さないでくれと言います。
今度は爪を噛んでいるところを注意されます。僕は、爪を加えて大人に聞こえない音を出して、ゴミ捨て場のカラスを追い払っているのだと答えます。お母さんは呆れた様子で、この時間はカラスがいないから音は出さなくて良いと言います。
貧乏ゆすり、ご飯をこぼすこと、椅子の上でジタバタすること、一段高いところを見つけると必ず昇ってしまうこと、ストローをぶくぶくしてしまうこと…他にもたくさんの子どもあるあるに、理由をつける僕。
お母さんは呆れながら、よくわかったけれど汚かったりお行儀が悪いことはなるべく控えるように忠告します。今度は僕が、お母さんはよく髪の毛をいじるけどどんな理由があるのか聞きます。すると、お母さんの髪の毛の先っぽには色々なご飯のメニューが小さく書いてあって、今日の晩御飯を何にするかおみくじみたいに一本選んで決めるのだ、とお母さんは答えます。
ちなみに今日は、ハンバーグ!と聞いて、僕は喜ぶのでした。
おすすめポイント
男の子とお母さんの会話で構成されている絵本です。男の子の癖を注意するお母さんに理由を話す男の子。その発想がユニークで面白く笑えます。また、書かれている癖の内容がたくさんの子どもに共通して見られるもので、子ども自身も、また一緒に読んだ大人も「あるある!」と頷きたくなります。
お母さんは不思議な言い訳をされて呆れた表情をしつつ、しっかり最後まで聞いてくれます。今度は自分の癖を指摘されて、同じようにユニークな言い訳で返すという、ウィットに富んだお母さん。こんなふうに、余裕を持って子どもたちの癖に向き合えたら素晴らしいな、と親目線でも学びを得られるお話です。
漫画のような感覚で肩の力を抜いて楽しく読める絵本で、親子で一緒に読むのもおすすめです。
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