【絵本紹介】くすのきだんちは10かいだて

3歳児おすすめ

くすのきだんちは10かいだて

作 武鹿悦子

絵 末崎茂樹

発行 2023年6月

出版 ひかりのくに

ページ数 32P

おすすめの年代 3歳〜小学校低学年

あらすじ

もぐらのもぐはくすのきだんちの管理人です。もぐは、風と光に包まれて、野原にそびえる10階建のこの家がとても気に入っています。もぐの部屋は1階のもう一つ下です。

1階には若いきつねの音楽家が住んでいて、朝晩美しいバイオリンの音色を聴かせてくれます。2階と3階には仲良しのうさぎの看護師さんが住んでいます。4階にはさるの大工さんがいて、どこかが壊れると直してくれます。5階と6階には展望台付きのりすのレストラン「くるみてい」です。7階、8階は空き家。9階にはふくろうが、10階にはももんががずっと昔から住んでいます。

ある日、空き家を見せてほしいとかけすが訪ねてきました。7階と8階で迷って、結局広い7階に決めました。かけすの引越しの日、もぐとさるの大工さんは荷物運びを手伝いました。かけすが引っ越してきてすぐ、かけすにお嫁さんが来たので、団地のみんなで庭でおめでとうパーティーをしました。

かけすのお嫁さんが卵を4つ産みました。みんな大喜びでお花を持ってお祝いに来ました。次の日、蛇が空き家を見に来ましたが、どうやら卵を狙っているようです。もぐが案内する前に、りすのコックさんがこっそり先回りをして8階の空き家にバケツで水を撒き、雨漏りがひどい部屋だと言って蛇を追い返しました。

無事にかけすの卵がかえり、朝から赤ちゃんが賑やかです。誰もその声に文句を言いません。

くすのきだんちに住んでいるみんなは、どこよりこの団地が気に入っています。

おすすめポイント

大きな楠が団地になっていて、そこに動物たちが仲良く暮らしているという、心ときめく設定のお話です。青々と茂った葉っぱが美しく、外観も美しいくすのきだんち。らせん階段が続く内装もおしゃれです。

そして何より住人がみんな心優しく仲が良くて、とても楽しそうに暮らしています。音楽家のきつねが演奏をしたり、レストランのりすが料理をふるまったり、それぞれの得意分野を活かしながらみんなが心地よく暮らしている姿が魅力的です。

本作はくすのきだんちシリーズの第1作です。シリーズの作品は複数ありますが、いずれも住人たちの思いやりの溢れるやりとりに心が温まります。こんな団地に住めたら、こんな仲間と暮らせたら…楽しい想像が膨らみ、何度も読み返したくなる名作です。

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