国土社HPより表紙の画像をお借りしました。
ロバのおはなし
作 よしだるみ
発行 2024年4月
出版 国土社
ページ数 32P
おすすめの年代 4歳〜大人
あらすじ
主人公のロバは生まれたときからおじいさんに飼われていて、朝早くから夜遅くまで重い荷物を運ぶ仕事をしています。ロバはいつも疲れていて、通りがかりに見かける牧場の牛や村の馬、飼われている犬がとても幸せそうに見えました。
「なんでぼくばかりこんなふうにはたらかなくちゃいけないんだろう」
ところがある日、牛に話しかけられて、彼らが外の世界を見られるロバを羨ましく思っていることを知ります。続けて、馬は怪我をしても遠くまで走らなければいけないということ、飼い犬は他のたくさんの犬の中の1匹で、可愛がられるよう努力をしなければならないことを知ります。
ロバは、自分にも大変なことがあるように、みんなそれぞれ大変なことがあるのだ、と気付き、みんなが幸せになれるよう願うのでした。
おすすめポイント
リアルで繊細な絵柄がとても魅力的な絵本です。ロバの疲れた物憂げな表情が切なく感じられるほど、動物の表情が丁寧に描かれています。
イラストが描き込まれたページが美しいのはもちろん、丁寧に紡がれた言葉が際立つような、余白が多めに構成されたページも素晴らしく、見応えがあります。
人からは簡単には見えない、すぐにはわからない、でもみんなそれぞれが何かを抱えて生きている。
子どもだけでなく、大人も心に留めておきたい大切なメッセージが込められた、深みのある絵本です。
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