【絵本紹介】ぼくのへや

3歳児おすすめ

KADOKAWAオフィシャルサイトより表紙画像お借りしました。

ぼくのへや

作 伊藤ハムスター

発行 2023年3月

出版 KADOKAWA

ページ数 32P

おすすめの年代 3歳〜小学校高学年

あらすじ

主人公はあらいぐま。友達のあらいぐまの家へ遊びに行くと、部屋がぴかぴかです。物が多く、部屋が散らかっている自分はあらいぐま失格だと思い、より良いあらいぐまになる為に持っていたものを全て手放します。

最初はすっきりした部屋に満足していましたが、次第に手放したものたちが自分にとって大切なものだったことに気付き、返してもらいに行くことにします。

自分の持ち物を探す絵探しのページが10ページ続いた後、お話に戻ります。

無事持ち物を取り戻し、アライグマは自分の大切なものと再び一緒に暮らすことになりました。

おすすめポイント

カラフルで賑やかな絵柄がかわいく、絵さがし本として低月齢の子も楽しむことができます。また、表紙裏に描かれた不思議な生き物の解説もオリジナリティに溢れていておもしろく、たくさんのお楽しみ要素が散りばめられた絵本です。

一方で、ストーリーは深く考えさせられる内容です。

「ぼくは あらいぐま しっかく。」

「よりよい あらいぐまになるには けっしんがひつようだ。」

物語の序盤は、ポップな絵柄と裏腹に、胸が苦しくなるような、自分を否定するあらいぐまの言葉が続きます。

失ってみて初めて、自分の「好き」「大事」を大切に思えるようになったあらいぐま。

その姿は、周囲の評価や一般論にとらわれて、自分を否定したり、自分の気持ちに蓋をしていないか、私たちに自問自答するきっかけをくれます。

遊び心がいっぱい、でも大切な問いを私たちに投げかけてくれる、大人も子どもも読む価値のある深い絵本です。

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