TWO VIRGHPより表紙画像をお借りしました。
のんびりやのコアラ
作 レイチェル•ブライト
絵 ジム•フィールド
訳 安藤サクラ
発行 2022年7月
出版 TWO VIRGINS
ページ数 32P
おすすめの年代 3歳〜小学校低学年
あらすじ
コアラのケビンは木にしがみついて、ひなたぼっこしたり、食べたり、お昼寝をするのが大好きです。
木の下から遊ぼう、と声をかけられても木から降りていくことはありません。
みんながわきあいあいと楽しそうにしていたら良いなぁ…とは思うけれど、木の下は何が起こるかわからない、毎日同じで変わらないのが一番と思っているケビンは木の上から動きません。
ところがある日、キツツキがケビンの木をつついて木が倒れてしまいます。
思いがけず地上へ降りたケビンは、倒れた木から手を離して、仲間たちと一緒に遊び始めます。ケビンは、新しい世界に足を踏み入れる楽しさを知ったのでした。
おすすめポイント
イラストはカラフルで躍動感があり、動物たちの愛嬌のある表情が魅力的です。
新たな世界に足を踏み入れるのは、子どもも大人も勇気がいります。多くの大人は、思い切って一歩を踏み出すことで自分の視野が広がり、人生が豊かになることを知っていますが、経験が浅く、見通しを立てるのが難しい子どもにとって、新たなスタートをきることは大人以上にエネルギーが必要です。
そんな子どもの気持ちを代弁するように「むり」という言葉を繰り返すケビンですが、思いがけないきっかけで一歩を踏み出すことになり、「しればしるほどぼくらのせかいはさいこうにたのしい」ことを教えてくれます。
保守的で臆病だったケビンが前を向いて新たな世界を楽しむ姿は、私たちに勇気を与え、新しいことにチャレンジしてみようという気持ちにさせてくれます。
読後感が爽やかで、大人も子どもも前向きな気持ちになれる絵本です。
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