【絵本紹介】どこいったん

4歳児おすすめ

クレヨンハウスHPより表紙画像をお借りしました。

どこいったん

作 ジョン•クラッセン

訳 長谷川義史

発行 2011年12月

出版 クレヨンハウス

ページ数 33P

おすすめの年代 4歳〜小学校低学年

あらすじ

「ぼくのぼうし どこいったん? さがしに いこ。」

から始まる物語。

主人公のくまが自分のなくした帽子を探して動物たちに聞き込みをします。

途中、赤い三角帽子を被ったうさぎに遭遇。帽子の行方を聞きます。

知らないと言いながら、明らかに様子がおかしいうさぎ。

でもくまは、「ふーん…さよか。」と通り過ぎます。

その後もくまは聞き込みを続けます。

「どんなぼうし?」

と聞かれて、

「あこうて、とんがってて…。」

と言いかけて、先ほどのうさぎが被っていた帽子が自分のものだったことに気付くくま。

慌てて引き返し、うさぎに

「おい、こら おまえ。 ぼくのぼうし とったやろ。」

と言うくま。

無言で見つめ合う二人。

突然場面は切り替わり、赤い三角帽子を満足そうに被っているくまが座っています。

仲間に「ぼうしかぶった うさぎ どこいったん?」

と聞かれ、明らかに様子がおかしくなるくま。

さて、うさぎは一体どこへいったのでしょうか…?

おすすめポイント

元々は英語で書かれた絵本で「I WANT MY HAT BACK」というタイトルです。

ブラウンやグレーが基調のシックなイラストですが、効果的に使われた赤色がストーリーを引き立てています。

長谷川義史さんの関西弁の訳が秀逸で、無表情な動物たちとはミスマッチなコテコテの関西弁のやりとりが非常に面白く、読み聞かせをすると笑いが起こる絵本です。

結末は実はブラックで、英語版は直接的に書かれています。

英語版:「I would not eat rabbit.」

日本語版:「うさぎなんか さわったことも ないで。」

日本語版はうさぎの行方については想像に任されており、意外と「食べられた」という想像をしない子もいます。年齢が上がって初めて、ブラックジョークに気が付くケースもあるようです。

結末はちょっぴり怖いけれど、動物たちのテンポの良い関西弁が楽しく、声に出して何度も読みたくなるような、唯一無二の翻訳絵本です。

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