KADOKAWA HPより表紙画像をお借りしました。
パンどろぼうとなぞのフランスパン
作 柴田ケイコ
発行 2021年11月
出版 KADOKAWA
ページ数 32P
おすすめの年代 3歳〜小学校低学年
あらすじ
森のパン屋で働くパンどろぼうは、年に一度のパン祭りに向けてとっておきのパンを考えています。
そんな時、フランスパンに扮した何者かがパン屋に忍び込み、夜の間にパン屋を散らかして逃げて行きます。
翌朝、ごちゃごちゃになった厨房を見たパンどろぼうはびっくり。ロールパンくんから怪しいフランスパンが町のパン屋へ走って行ったという目撃情報を聞き、パンどろぼうは町のパン屋へ向かいます。
町のパン屋では大きなフランスパンを被った何者かが待ち構えていました。その正体は、なんと猫でした。正体がねずみのパンどろぼうは、猫を目の前にして怯えます。その時、パン屋のおじさんが持たせてくれたクリームパンがあることを思い出し、猫に投げつけます。
クリームパンが口に入って、猫は「にゃんだこれ」とげっそり。おじさんはパン作りがあまり上手ではないのです。
すっかり元気をなくした猫に、厨房を荒らした理由を尋ねると、森のパン屋が人気で町のパン屋にすっかりお客さんが来なくなり、もうすぐ開かれるパン祭りでもお客さんを取られてしまうのではないかと思い、森のパン屋に嫌がらせをしたとのこと。
パンどろぼうは、お祭りは競うものではなくみんなで楽しむものだからと、森のパン屋と町のパン屋で一緒に出ることを提案します。
一緒にパンを考えたら、パン作りの始まりです。作り上げたパンはとっても美味しそうな「ねこのてクリームパン」。素敵なパンが出来上がり、パン祭りは無事に大成功となりました。
それから森のパン屋と町のパン屋は月に一度町の広場で一緒にパンを売ることにしました。そして、どちらも評判のお店になりました。
おすすめポイント
大人気のパンどろぼうシリーズの第三弾です。パンの被り物をした何とも不思議な出立ちのパンどろぼうは、一見不気味な気もするのですが、読めば読むほど好きになり、どんどん可愛いく見えてくる、味のあるキャラクターです。
今回は謎のフランスパンの登場。こちらもまた、一見不気味なのだけれど気づけばすっかりハマってしまう愛らしいキャラクターです。パンの被り物を脱いで、二人でパンを作りあげる姿はとても楽しそうで、出来上がったパンも可愛いく美味しそうで見ているだけでワクワクします。
パンどろぼうシリーズは、悪者として登場したキャラクターも実は根っからのワルではなくて、最終的に仲間になって一緒にパン屋を盛り上げるという平和でハッピーな展開が魅力です。町のパン屋のパンの名付けや、パン祭りの他のお店のパンなど、細かい部分も遊び心たっぷりに描かれていて、繰り返し読んでも楽しいお話です。人気ぶりに納得の、一度は読みたいおすすめ絵本です。
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