アリス館HPより表紙画像をお借りしました。
ペンギンホテル
作 牛窪良太
発行 2017年11月
出版 アリス館
ページ数 32P
おすすめの年代 3歳〜小学校低学年
あらすじ
広い海のどこか遠くにあるペンギンホテルでは、ペンギンたちがホテルを営んでいます。
最初のお客は世界中を旅するライオンです。ペンギンたちは力を合わせて荷物を運び、お部屋へご案内します。全てのお部屋はオーシャンビューです。ペンギンたちはお腹でスイスイ滑ってフロントへ戻ります。
お客は次々とやってきます。ペンギンホテルで待ち合わせをしているキツネのお客、羽を休めにきた白鳥のお客、海の中の大きなお部屋へ泊まるクジラのお客、ペンギンたちは大忙しです。
夜になるとディナーショーが始まります。1階のレストランはシーフードがいっぱい。お客はペンギンたちのステージショーを見ながら食事を楽しみます。
その後、フロントは夜の係と交代し、1羽を残してペンギンのスタッフも全員ベットルームへ向かいます。真夜中になると、輝くオーロラの中、最後のお客サンタクロースがやってきます。フロントのペンギンが客室の鍵を渡すと、サンタクロースはペンギンにラッパをくれました。「ことしもこれでふくろはからっぽじゃ」と話します。
ペンギンホテルは今日も満室。いろいろないびきに混ざり、時々ラッパがかすかになります。そして夜が明け…朝になると、素敵な旅の思い出を胸にみんなにこにこ出発していきます。
今日もペンギンホテルには新しいお客がやってきます。
おすすめポイント
表紙ではペンギン型の立派なホテルの前でペンギンのスタッフたちがお出迎えしていて、1ページ目を開くと、ホテルの扉が開きます。
ペンギンホテルは人間のホテル同様に荷物をお部屋に運んでくれたり、丁寧にお部屋の説明をしてくれたり、ホスピタリティに溢れています。客層は海の生き物ばかりかと思いきや、ライオンから白鳥まで多種多様で、最後にはサンタクロースまでやって来る、意外で楽しい展開が待っています。
ホテルの各々の部屋の様子や、ペンギンたちが働く様子が細部まで丁寧に描き込まれていて、じっくり読めば読むほど面白さが増します。
非日常を味わえるホテルという子どもが大好きな空間に、ペンギンが営むという面白い設定、サンタクロースが泊まるという驚きの展開が加わり、子どもたちがワクワクする要素がぎゅっと詰め込まれた、読み応えのある絵本です。
コメント