偕成社HPより表紙画像をお借りしました。
100かいだてのいえ
作 いわいとしお
発行 2008年5月
出版 偕成社
ページ数 32P
おすすめの年代 3歳〜小学校低学年
あらすじ
星を見るのが大好きなトチくんという男の子の元に手紙が届きました。
「ぼくは100かいだてのいえのてっぺんにすんでいます。あそびにきてください。」
手紙には地図が描かれています。トチくんはその家に行ってみることにしました。
地図を頼りに着いた場所は森の中。高い家が建っていました。
「ごめんくださーい!」と言っても返事がないので、トチくんは階段を昇り始めました。
100階に行くために中の階段を通らせてもらいます。10階まではネズミさんのお家です。
この家は10階ごとに違う動物が住んでいるのだそうです。11〜20階はリスさんでした。
21〜30階はカエルさん。家の中に雨が降っていて、傘をさしながら昇ります。
31〜40階はテントウムシさん。ピンクが基調の可愛い部屋に、水玉模様をペンキで付けています。
41〜50階はヘビさん。ヘビさんならではの楽しい遊具がたくさんある家です。
51〜60階はミツバチさん。お花の部屋やハチミツを作る部屋があります。ハチの女王様もいました。
61〜70階はキツツキさん。木でできた家で、彫刻を作ったり空を飛ぶ練習をしたりしています。
71〜80階はコウモリさん。家は真っ暗で、トイレやお風呂は全部逆さまです。
81〜90階はカタツムリさん。カラフルで渦巻き型の可愛いお家が並びます。
91階からはクモさんです。今エレベーターを工事しているとのこと。そのまま100階に上がると…
100階にいたのはクモの王子様でした。望遠鏡でトチくんを見つけて手紙を書いたそうです。
トチくんは100階建の家のてっぺんから望遠鏡で星を見せてもらいました。とても綺麗でした。トチくんはクモの王子様とまた遊ぶ約束をして、できたばかりのエレベーターに乗せてもらって地上に帰りました。
家に帰り、トチくんはクモの王子様にお手紙を書きます。
「きょうはとてもたのしかったよ。こんどぼくのいえにもあそびにきてね。 トチ」
おすすめポイント
絵本を縦に開いて、下から上へ読み進めていく珍しいスタイルの絵本です。
見開き1ページで10階分の家が描かれています。10階ごとに違う動物が住んでいる設定で、ページをめくるごとに色合いや形の違う、その動物ならではの家が描かれています。各階非常に細かく絵が描かれているので、物語を読み進めるだけでなく、一つ一つの階を順に見ていき想像を膨らませて読むと、更に楽しめます。
ストーリーはシンプルで文字数もあまり多くないので、本を読むのがあまり得意でないお子さんにもお薦めです。絵を楽しみながら、肩の力を抜いて読み進めることができる一冊です。
100かいだてのいえはシリーズで複数出版されており、「ちか100かいだてのいえ」「うみの100かいだてのいえ」など、主人公は違いますが同様に100階建の家を昇って行くお話です。いずれも可愛くて細部まで丁寧に描かれたイラストが魅力的で、繰り返し読みたくなるお薦めのシリーズです。
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