福音館書店HPより表紙画像をお借りしました。
ぐりとぐらとくるりくら
作 中川李枝子
絵 山脇百合子
発行 1992年10月
出版 福音館書店
ページ数 32P
おすすめの年代 3歳〜小学校低学年
あらすじ
春の朝、ぐりとぐらは良いお天気にわくわくして、はらっぱで朝ごはんを食べようと決めます。ぐりとぐらはサンドイッチとサラダを作って出かけます。
ぐりとぐらが歩いていると、不意に帽子が引っ張られ、「とりかな」「かぜかな」と見上げると、木の上に二人の帽子を持った手長うさぎがいます。くるりくらという名前の手長うさぎは、ぐりとぐらの作った朝ごはんを一緒に食べることになりました。
ごはんを食べ終わった後、くるりくらはぐりとぐらを肩に乗せるとぴょんぴょん跳ね回り、木登りを始めます。木のてっぺんまで来ると「こんどはくもにのりたいな」とぐらが言います。くるりくらは手で雲を集めて、雲のボートを作ります。3人でボートに乗ると、くるりくらは長い手をオールにしてボートを漕ぎます。空を一回りして丘に向かうと、丘の上に畑と家があって、うさぎが立っています。そこはくるりくらの家で、お母さんがいたのでした。
3人が地面に降り立つと、お母さんうさぎはくるりくらの手が長いことに驚きます。「ぼく、ちょっとてながうさぎになりたかったの」「おまじないたいそうしたらなったんだよ、こういうふうにね」とくるりくらが体操をしてみせると、元のうさぎになりました。
ぐりとぐらとくるりくらが10時のおやつを食べている間に、くるりくらのお母さんが毛糸で縄跳びを3本編んでくれました。
ぐりとぐらはくるりくらとお母さんにありがとうとさようならを言うと、歌いながら縄跳びをして、家に帰りました。
おすすめポイント
大人気のぐりとぐらシリーズのお話で、今回は手長うさぎの「くるりくら」が登場します。「ぐりぐら ぐりぐら くるりくら」という響きが楽しく、耳に心地よく残ります。
お話は、「天気の良い原っぱで朝ごはん」という大人も子どもも胸が高鳴る素敵な計画から始まります。
そこで登場するのが手長うさぎのくるりくら。何とも不思議な出立ちで、高い木に登ったり、雲を集めて雲のボートに乗ったり、子どもたちの「こんなことができたらいいな」を次々に叶えてしまう、とても不思議なキャラクターです。しかも、実はもともと普通のうさぎで、おまじない体操をしたら手長うさぎになったという、何とも不思議だらけの存在です。
お話の中には子どもたちの「やってみたい小さな冒険」や「真似してみたい楽しい時間」がギュッと詰め込まれていて、現実離れしたちょっと不思議な要素も、ワクワク感を高めるエッセンスになっています。
テンポの良い文章で幅広い年代の子どもたちに親しみやすく、のびのびと穏やかな世界観が何度読んでも心を惹きつける、不朽の名作です。
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