童心社HPより表紙画像をお借りしました。
14ひきのもちつき
作 いわむらかずお
発行 2007年11月
出版 童心社
ページ数 32P
おすすめの年代 2歳〜小学校低学年
あらすじ
お父さん、お母さん、おじいさん、おばあさん、そして兄弟10匹の14匹家族のねずみのお話です。
お父さんが薪割りをして、おじいさんがかまどに火を入れます。
今日はお餅つき。子どもたちが順番に起きてきます。
夕べからふやかしておいたお米の水を切るおばあさん、それをさっちゃんが蒸籠(せいろ)に入れます。
お父さんがゴロゴロ臼を転がしてきて、ごうくんたちが杵を運んできます。臼の下に丸く藁を敷きます。
蒸籠から湯気が吹いてきます。
おじいさんがふやけたお米を運んで、いよいよ餅つきが始まります。
初めはお米が飛ばないようによく練って。子どもたちも真似します。
ぺったんとったん、餅つきが始まりました。
子どもたちもぺったんとったん、こねどりもします。
お餅ができたら、餅とり粉をまぶしてのします。温かくて、柔らかくて、気持ち良いお餅です。
どんどんついて、最後の臼はお昼に食べます。丸くちぎって、あんころ餅、きなこ餅、くるみ餅を作ります。
みんなでいただきます。今日はみんなよく働いたね、とお父さんが言います。
雪が降ってきました。もうすぐ嬉しいお正月です。
おすすめポイント
大人気の14ひきのシリーズの第12作です。
1日かけてお餅をつく様子が順を追って丁寧に描かれています。かまどに蒸籠、杵と臼など現代の子どもたちにはあまり馴染みのない道具もたくさん出てきますが、大きく丁寧に描かれたイラストや擬音を使った描写がわかりやすく、お餅つきの経験がない子どもたちにとってもイメージしやすくなっています。
各ページ、見開きいっぱいに描き込まれたイラストはとても見応えがあり、子どもたちがお手伝いをしたり、ペロリとつまみ食いをしたり、傍で遊んだり、お餅つき以外にも小さなストーリーが散りばめられているところも魅力です。最後に家族みんなで美味しそうにお餅を食べる場面は賑やかで楽しそうで、温かな気持ちにさせてくれます。
大自然の中で、家族全員それぞれが役割を担いながら協力して暮らす姿は、現代を生きる多くの子どもたちにとっては新鮮なものかもしれません。家族について、暮らしについて、季節の行事についてなど、新たな気付きを得るきっかけをくれる、穏やかで温かい世界観の絵本です。
コメント