文溪堂様に依頼し、表紙画像を提供いただきました。
かばんうりのガラゴ
作•絵 島田ゆか
発行 1997年11月
出版 文溪堂
ページ数 32P
おすすめの年代 3歳〜小学校低学年
あらすじ
ガラゴは旅するかばん屋です。
今日最初のお客さんはぶよぶよの子犬です。兄弟が欲しいと言われましたが、ガラゴは兄弟は持っていないので、代わりに犬の形のかばんを取り出しました。かばんの中にはもう一つ犬のかばんが入っていて、そのかばんにもまた犬のかばんが入っていて、子犬に3匹のかばんの兄弟ができました。子犬はお礼にクレヨンをガラゴに渡し帰っていきました。
次にライオンらしく見えるかばんがほしい、と毛の薄いライオンが来ました。ガラゴはたてがみのかばんを取り出し、ブラシで毛をとかして、クレヨンで目の周りに線を描きました。すっかりライオンらしくなったので、お礼に大きなスイカを置いてライオンは帰っていきました。
ガラゴはスイカを食べて、昼寝をしました。目を覚ますとカエルがいて、子どもたちを連れて歩けるかばんがほしいとのこと。ガラゴはピアノの形のかばんを取り出して、おたまじゃくしと水をかばんに入れました。おたまじゃくしが泳ぐとかばんは綺麗な音楽を奏でます。カエルはドーナツを置いて帰りました。
犬の次はライオン、ライオンの次はカエル、カエルの次は…次から次へとやってくるお客さんにぴったりのかばんを差し出すガラゴ、今度はどんなかばんが出てくるのでしょうか。
おすすめポイント
右と左違う色の靴を履いて、かばんを引いて歩く旅するかばん屋さんのガラゴ。お客さんのニーズに合わせて絶妙なかばんを提供してくれるかばん屋さんです。これはかばんの域に入るのだろうか…?と思うほどのスペシャルなかばんにお客さんはみんな大満足。お客さんがお礼に置いていってくれたものがまた次のお客さんで役に立ち、お話が繋がっていくのもワクワクします。
イラストはあちこちに仕掛けが散りばめられていて芸が細かく、小さな生き物たちを探したり、ガラゴの持っているかばんの中身をじっくり見たり、ストーリー以外にも楽しめるところがたくさんあり、何度読んでも飽きません。
そして、「バムとケロ」シリーズのファンには嬉しい、ケロちゃんの登場も見どころの一つです。お礼に大量のドーナツを置いて帰っていくというケロちゃんらしくてかわいい場面もあります。
読めば読むほど登場人物に愛着が湧き、細かいイラストに想像が膨らみ、楽しさが増していく個性派絵本です。
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