【絵本紹介】はるですはるのおおそうじ

3歳児おすすめ

福音館書店HPより表紙画像を引用しました。

はるですはるのおおそうじ

作 こいでたん

絵 こいでやすこ

発行 1989年4月

出版 福音館書店

ページ数 32P

おすすめの年代 3歳〜小学校低学年

あらすじ

赤い屋根の小さな家に3匹のねずみが住んでいました。

今日は春の大掃除。ねずみたちは、家の中のものを庭へ運び出していました。

そこへりすの親子が通りかかりました。りすのお母さんがねずみの家のカーテンを見て、こんな綺麗なカーテンを子供部屋にかけたいと言うと、ねずみはりすの親子にカーテンを譲りました。

その後、通りがかった動物が欲しがったものをねずみは次々に譲りました。2匹のうさぎに鳩時計を、きつねのおばあさんにゆりいすを、たぬきの一家にテーブルと椅子を。大掃除が終わり、がらんとした家のベランダでお茶を飲んでいると、あなぐまがやってきました。あなぐまは、こんな素敵な家で、薔薇の花に囲まれて暮らせたらどれほど幸せだろうかと言いましたが、ねずみたちの住むところがなくなってしまうので、この家を譲ることはできません。すると、あなぐまは自分の家の庭に植えるつもりだった薔薇の苗木をねずみたちの庭に植えていきました。

やがて赤い屋根の小さな家は薔薇の花に囲まれ、いつも近所の人が訪ねてくるようになりました。あなぐまも時々やってきて、お茶をご馳走になりながら薔薇の花を眺めるのでした。

おすすめポイント

3匹のねずみのうち1匹が気前が良すぎて、通りがかる人たちにどんどん物を譲ってしまいます。こんなにあげて大丈夫かな…?と少し心配になりますが、ねずみはニコニコ満足そう。家に帰ってからガランとした部屋を見たねずみは、自分で譲っておいて驚いた表情をしています。あまり考えずに次々譲っていたのかも?そんなとぼけたところが可愛くて笑ってしまいます。

物がなくなって、最初2匹のねずみは少し不満げな表情でしたが、結果的に薔薇の花がいっぱいの、たくさんの人が訪れる素敵な家になりました。みんなの幸せそうな表情に見ているこちらも嬉しくなってしまいます。

こいでやすこさんの、色鉛筆で描いた繊細で温かみのあるイラストが魅力的で、特にねずみたちのコロコロ変わる表情が楽しく愛らしく、読み手の心を掴みます。ほのぼのと優しい世界観に心が安らぐ、春のおすすめ絵本です。

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