学研出版サイトより表紙画像を引用しました。
へなちょこ
作 くすのきしげのり
絵 ふるしょうようこ
発行 2013年2月
出版 Gakken
ページ数 32P
おすすめの年代 5歳〜小学校高学年
あらすじ
ともちゃんは運動神経抜群ですが、縄跳びだけが苦手です。もうすぐ体育で縄跳びが始まりますが、仲良しのあいちゃんに縄跳びができると嘘を言ってしまいました。
あいちゃんやみんなに「へなちょこ」だと思われないよう、ともちゃんは縄跳びの練習を始めました。ところが、全然跳べず、縄跳びを地面に投げつけている姿をあいちゃんに見られてしまいます。今日は調子が悪いから縄跳びは教えてあげられない、と強い口調で言い、あいちゃんを帰らせたともちゃん。
あいちゃんが帰った後、嘘をついて、見栄を張ってえらそうに言った自分は「へなちょこ」だとともちゃんは泣きました。
気が付くと、そばにあいちゃんがいて一緒に練習しようと言ってくれました。ともちゃんは本当は縄跳びが苦手なことを打ち明け、謝ります。ともちゃんは頑張っているから「へなちょこ」じゃないと、あいちゃんは言ってくれました。
あいちゃんの優しさに感激しながら、ともちゃんは、あいちゃんと一緒に縄跳びの練習を頑張る決意をしたのでした。
おすすめポイント
「ええところ」であいちゃんの友達として登場していたともちゃんが主人公のお話です。物語はともちゃんの視点で関西弁で語られています。
「へなちょこ」と思われたくないという葛藤の中で、見栄を張って大きな態度をとってしまった自分を許せず涙するともちゃん。ありのままのともちゃんを受け止め、努力できる素晴らしさを認めてくれたあいちゃん。真っ直ぐな二人の温かい友情に、心打たれる物語です。
ふるしょうようこさんのアーティスティックなイラストが魅力的で、縄跳びをモチーフにした心の魔物や背景の模様など、どのページを開いても鮮やかでおしゃれで見応えがあります。
小学生らしい二人のやり取りが楽しく、笑える場面もありながら、ともちゃんのように苦手なことがあったとき、自分はどうするだろうか?と自らを振り返るきっかけをくれる深い絵本です。友達関係や自分の内面について考えが深まる小学生にお薦めの一冊です。
あいちゃんが主人公のお話はこちら。

あいちゃんとともちゃんが友だちとして登場するお話はこちら。

コメント