佼成出版社HPより表紙画像を引用しました。
いかりのギョーザ
作 苅田澄子
絵 大島妙子
発行 2006年12月
出版 佼成出版社
ページ数 32P
おすすめの年代 3歳〜小学校低学年
あらすじ
こぶたのブブコがフライパンを見つけました。これでギョーザを焼こうと準備して火をつけると…
フライパンがしゃべりました。このフライパンは、火がなくても焼ける怒りのフライパンなのだそうです。
フライパンが「プンプン、プリプリ」と言うとフライパンの下から炎が燃え上がり、蓋を開けるとふっくらギョーザの出来上がり。こんなにおいしいギョーザは初めてです。
怒りのフライパンによると、フライパンから出た火は怒りの火で、今日ブブコはブウタとけんかしたので怒りのパワーで焼けたのだそう。
怒っている人が作らなければ焼けないということなので、翌日は昨日喧嘩をしたブウタの家へギョーザを持って行き、まだ怒っているブウタに焼いてもらいました。おいしいギョーザであっという間にご機嫌になり、2人は仲直り。
次の日から、ブブコは怒っている人を探してギョーザを焼いてもらいました。怒りのギョーザを食べるとみんなご機嫌になり、明日も食べたくなりました。今では1日100個焼いても足りません。怒りのフライパンは焼き過ぎてしんどそう。あるときついに、怒っている人がいなくなりギョーザを焼けなくなってしまいました。そのとき、フライパンがいくらなんでもこき使いすぎだ、と怒り出しました。フライパンはしまったと思いましたが後の祭り。ブブコはギョーザを放り込み、フライパンはヒーヒー言いながら焼きました。そして、山盛りギョーザをみんなで仲良く頬張りました。
おすすめポイント
表紙もタイトルもインパクト大のユニークな絵本です。個性的な顔が描かれた関西弁のフライパン、「プンプン、プリプリ」と焼いている姿はなんだこりゃー!と笑ってしまいます。出来上がったギョーザはなんとも美味しそう!それを食べるブブコの幸せそうな顔も素敵です。
焼き疲れたいかりのフライパンは、最後は自分の怒りで焼く羽目に。疲れたフライパンはちょっと可哀想ですが、山盛りギョーザをみんなで頬張るシーンは美味しそうで楽しそうで見ているだけで幸せな気持ちになります。
ネガティブなイメージの怒りという感情をテンポ良くユーモアたっぷりに描いた、読み聞かせにもお薦めの笑える絵本です。
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