起立性調節障害ってご存知でしょうか?
自律神経の乱れによって脳への血流が低下し、立ちくらみや失神などの症状を引き起こす病気で、小学校高学年〜高校生に好発すると言われています。
現在小5の娘は、小4のとき起立性調節障害に悩まされていました。今回はその経過についてのお話です。
症状の始まり
娘が小4になってしばらく経ったある日、朝起きてきて倦怠感を訴えました。「頭が痛い、お腹が気持ち悪い、食欲がない…」熱はありませんでしたが、風邪の引き始めかな?と思い学校を休ませました。その日の午後になると元気になったので、良かった、明日は学校に行けるかな、と一安心。
ところが、翌朝も同様の倦怠感を訴えるのです。そして、午後になると元気になる。それが3日続き…もしかして、学校に行きたくないのかな…?そう心配になって聞いてみるものの、全くそんなことはない、むしろ行きたいのだそう。でも体調が悪いのだと。
娘は以前から学校をめちゃくちゃエンジョイしている様子だったし、友達関係も特に問題ないようだったので、学校に行くのが嫌ということはなさそう。
じゃあこれは一体何なの…?
原因がわからないまま、朝調子の悪い時間は家で休ませ、調子が良くなったタイミングで学校に行くという生活が始まりました。大体体調が回復するのはお昼前後。給食に間に合えば上出来!という感じでした。
病院受診、検査の結果
娘は持病があり定期的に大学病院の小児科に通っているので、定期受診のときに相談したところ「起立性調節障害」の可能性を指摘されました。持病の影響と判別がつきにくかったので、検査入院をして複数の検査をしました。
結果、この不調が持病の影響ではなく「起立性調節障害」によるものだろうという診断が下りました。
起立性調節障害の検査は、起立試験と言って、横になっている時と立ち上がった時の、血圧と心拍数の変化を見ます。娘の場合、血圧は正常域だったものの、立ち上がった時の脈が異様に速く、それが体調不良を引き起こしているのではないかということでした。
治療方法について
さて、原因がわかってホッとしたところで、どんな治療をするのか尋ねましたが…「これと言ってできることがないんですよ」という医師の返答に驚きました。血圧があまりに低いケースではお薬で血圧をコントロールするのですが、娘は血圧は正常域。脈の速さは薬での治療は難しく、規則正しい生活をして自律神経を整えるしかないとのこと。
規則正しい生活と言っても娘は夜9時に布団に入り朝7時に目覚ましをかけるという規則正しい生活を既に送っていて、スマホやタブレットもそれほど使用しておらず、改善の余地はないように思えました。この頃は寝付くまで30〜40分かかってしまっていたけれど、それはコントロールが難しいことだし…と、どうして良いかわからない状態でした。
ひとまず医師からもらったアドバイスを基に、カフェインの入っている緑茶をやめて、麦茶など水分をしっかり摂取して、血流を良くすることを心掛けて生活するようにしました。
そして、医師からのアドバイスはもう一つ。娘は骨の病気で、小3の1年間に脚の手術を3回受けていて、1年の半分くらいは車椅子生活をしていました。それにより脚の筋力がかなり衰えていて、血流が悪くなっている可能性があるとのこと。従い、元気な時間はしっかり体を動かして筋力をつけることが目標になりました。
不安な日々
ひとまず原因らしい原因はわかったものの…いつ治るのかわからない、できることが限られているというのはとてももどかしいものです。毎朝体調の悪そうな娘を横目に、いつ学校に行けるのかやきもきして、このままずっとこんな体調だったらどうしよう…と不安になって。とはいえ、娘も好きでこんな状態になっているわけではないのでプレッシャーをかけてはいけないし…。
このとき、私は既に会社を退職することが決まっていて、引継ぎも概ね終わり、在宅勤務で雑務を片付けるという特殊な状況だった為、仕事のことはあまり気にせずに娘を見守ることができたのは幸いでした。これまで娘の病状が悪化する度、会社を休んだり、在宅勤務で対応させてもらったりと、融通をきかせてもらっていたのですが、もうこれ以上誰にも迷惑をかけたくないという気持ちが強かったので、良いタイミングで退職を決断できたと思います。
15年間勤めた会社を辞めるまでの話はこちら。

病気の経過
大体昼頃から元気になって学校へ行き、放課後先生に出られなかった授業の補講をしてもらい(先生には本当に感謝です…)、夕方は友達と約束して外遊びをするという生活。娘は午後からは 別人のように元気いっぱい楽しそうでした。
こんな日々が1学期いっぱい続き、私も娘もだんだんと午前中体調が悪いことは当たり前と受け止めるようになっていきました。午前中は娘に必要な休息時間、午後からが娘の活動時間なんだ。そう思うと、少し気持ちが楽になりました。
そのまま夏休みに突入。夏休みは時間に縛られることがなくとても気楽な日々でした。午後からは水泳教室に行ったり、筋力をつけるべくできるだけ体を動かすようにしました。
そして2学期。朝の集団登校には間に合わないものの、1時間目が始まる前に「なんか今日、もう行けそう。」と言い、1時間目から登校することに成功!その日から、ほぼ毎日1時間目の授業が終了するまでには登校できるようになりました。
その後の様子
あれから1年、今は集団登校で毎日元気に学校へ通っています。娘の朝の体調不良は4ヶ月ほど続いた後、徐々に改善していきました。振り返ると、娘にとって午後から充実した時間を過ごせたことがとても良かった点だなと思います。
学校の先生もクラスの子どもたちも娘の状態に理解があり、遅れて登校しても「おはよう!もう体調大丈夫?」「給食間に合って良かったなぁ!」「今日午後から図工やで!来れてよかったなぁ!」と、みんなが前向きな言葉をかけてくれました。おかげで遅れて登校することへの後ろめたさを感じることもなく、楽しく学校生活を送ることができました。
何が回復の原因になったかはっきりとはわかりませんが、娘の場合はおそらく筋力がついたことが大きかったと思います。体調の良い時間に外遊びをしていたことは娘にとってとてもプラスになっただろうと思っています。
最後に
対処法がはっきりしない、いつまで続くかわからないというのが、起立性調節障害の大変な面ではないかと思います。
苦しい中でも、周囲の理解があったことで親子共々とても助けられたので、こんな症状があるんだな、ということを多くの人に知ってもらえたら良いなと思ってこの記事を書きました。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
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