福音館書店HPより表紙画像をお借りしました。
北風ふいてもさむくない
作 あまんきみこ
絵 西巻茅子
発行 2011年11月
出版 福音館書店
ページ数 32P
おすすめの年代 4歳〜小学校低学年
あらすじ
かこちゃんは、お母さんに赤いマフラーを編んでもらいました。かこちゃんは早速マフラーをつけてすすきのはらへ向かいます。
「北風ふいてもさむくない」と歌いながら歩いていると…
林から青い毛糸のマフラーをしたきつねの子が飛び出してきます。お父さんに編んでもらったそうです。
きつねの子とかこちゃんが歌いながら歩いていくと…
木の影から桃色毛糸のマフラーをしたうさぎの子が飛び出してきます。お母さんに編んでもらったそうです。
うさぎの子ときつねの子とかこちゃんが歌いながら歩いていくと…
黄色い毛糸のマフラーをしたねずみの子が飛び出してきます。お母さんに編んでもらったそうです。
ねずみの子、うさぎの子、きつねの子、かこちゃんが歌いながら歩いていくと…
どこからか泣き声が聞こえます。小さなへびの子が4匹、家の中で寒い寒いと泣いているのです。
かこちゃんの提案で、みんなは家からマフラーを編んだ残りの毛糸とかぎ針を持って戻ってきます。そして、編み物のできるかこちゃんが先生になって、4人はへびの子のたちのお布団を編みます。
4枚のお布団が完成すると、ヘびの子の家の入口にそっと置きました。しばらくしてお布団に気付いたへびの子たちは温かいと大喜びです。サンタさんが早く来たんだと話すへびの子の声に、かこちゃんたちは、私たちがサンタさん?とぽかぽか嬉しい気持ちになって笑います。
かこちゃんと仲間たちは歌いながら帰っていきました。
おすすめポイント
ふんわりと柔らかいタッチで女の子と動物たちが愛らしく描かれています。たくさんの色を使って背景が描かれていますが、絶妙なバランスでその場面にぴったりの色合いに仕上げられており、つい見入ってしまうような魅力溢れるイラストです。
かこちゃんや動物たちがお互いのマフラーを見て「よかったねぇ」「にあうにあう」と声を掛け合ったり、「へただって、いい。ところどころ、まがっていても、のびていても、いい。」と4人で一生懸命編み物をしたり、登場人物全員が優しさに溢れ、読み終えた時、優しさを分けてもらったような温かい気持ちになります。
文字数はやや多めですが、テンポがよく、登場人物の会話も多く、読みやすいお話です。
紡がれた言葉ひとつひとつが温かく前向きで、ずっとこの世界観に浸っていたくなるような魅力があります。寒い季節にぜひお子さんに読んでもらいたい一冊です。
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