【絵本紹介】ムカッやきもちやいた

5歳児おすすめ

KUMON SHOPより表紙画像お借りしました。

ムカッやきもちやいた

作 かさいまり

絵 小泉るみ子

発行 2018年10月

出版 くもん出版

ページ数 32P

おすすめの年代 5歳〜小学校高学年

あらすじ

主人公のるいのクラスにあんりちゃんという転校生がやってきます。あんりちゃんは、るいと仲良しのふうこちゃんの隣の席に座りました。優しいふうこちゃんは、あんりちゃんに学校の案内をして、一緒に過ごします。その姿を見てるいはなんだかムカッとします。

家に帰ると、るいの弟のけんたが赤ちゃんにやきもちを焼いて泣いていました。それを見てるいは「ムカッ」の正体がやきもちだったことに気付きます。「やきもちやくのやめよう」とけんたと遊びながら思ったるいですが…。

次の日、ふうこちゃんとあんりちゃんが一緒にいる姿を見てまた「ムカッ」。あんりちゃんに「るいちゃんとふうこちゃんのともだちになりたいな」と言われても素直に返事ができません。

そのまま体育のマラソンが始まり、るいは、やきもちを吹っ切るように全速力で走ります。走り終わったらなんだか気持ちがすっきりしてあんりちゃんと向き合えるようになり、無事あんりちゃんとも友達になれたのでした。

おすすめポイント

るいの表情や周りに描かれたモヤモヤのイラストが、るいの心の動きをわかりやすく表現していて、感情移入しやすい絵本です。

ほとんどの子どもたちが経験するであろう「やきもち」という感情。相手が自分に何かをしたわけではないのに、やり場のないモヤモヤした感情が渦巻き、なんだか自分が悪い人間になったような不安な気持ちを抱くことがあるかもしれません。そんなとき、本書に出会うことができれば、るいと自分を重ね合わせて、誰もが感じ得る自然な感情であることに気付き、その感情と向き合うきっかけになるのではないでしょうか。

物語の最後のるいの清々しい表情が印象的で、読後感が爽やかです。子どもの揺れ動く心に寄り添い、背中を優しく押してくれる絵本です。

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