講談社HPより表紙画像をお借りしました。
おもちのきもち
作 かがくいひろし
発行 2005年12月
出版 講談社
ページ数 24P
おすすめの年代 2歳〜小学校低学年
あらすじ
語り手は、お餅です。
たごさくさんちのお餅つき。気がつくと、何度も頭を叩かれていました。
兄弟たちはのし棒で伸ばされたり、ちぎられたり。
ちぎられるとあんこやきなこをつけられたり、ひどい場合は納豆に混ぜられねばねばに。
そのうえ人間に食べられてしまいます。
語り手の「わたくし」は鏡餅。今のところ大事にされていますが、いつ食べられるかわかりません。
そこで、形を変えて足を生やし、逃げ出すことに成功しました。
一生懸命走って鏡餅はお腹が空いてしまいます。そういえば、人間は美味しそうにお餅を食べていたと思い、自分の足を味見してみます。美味しくて足を全部食べてしまい、もっと食べようと後ろにびろーんと伸びてパクリ。ドーナツ型になった状態で、なんだか体が固くなってきます…。
数日後、ドーナツ型のまま固まった鏡餅を見た人たちが話します。
「なんでこげなかっこうになったんじゃろ。」
「それはおもちにきいてみんとわからんのう。」
おすすめポイント
お餅の気持ちにフォーカスした、ユニークなお話です。
食べられることを恐れ、足を生やして逃げるという展開にびっくり、そして「ビロンビローン」という効果音と共に奇妙な形になって走っていく姿はなんとも滑稽です。お腹が空いて自分の足を食べるという発想もツッコミどころ満載で面白く、だんだんと主人公の鏡餅が可愛らしく感じてきます。
最後は幸せそうな表情のままドーナツ型で固まってしまう鏡餅。最終ページではタイヤのように転がされて家に帰っていきますが、この後は結局食べられてしまうのか…?話の続きは、読み手の想像に委ねられています。
ダイナミックなイラストで擬音も多く、低月齢の子も楽しめる、斬新でインパクト大の絵本です。
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