金の星社HPより表紙画像をお借りしました。
おにはそと
作 せなけいこ
発行 2010年12月
出版 金の星社
ページ数 24P
おすすめの年代 3歳〜6歳
あらすじ
節分の夜。子どもたちが鬼に豆をまいて追い払います。その横で、ちび鬼が豆を食べながら様子を見ています。
子どもたちはちび鬼の存在に気付き、「かわいいね」「ぼくたちと遊ぼうよ」と話しかけます。
大人の鬼たちは親分の元へ逃げ帰り、「おやぶん、まめでやられました。」「ちびちゃんだけにげられなくて…」と報告します。親分の鬼は「なに!ちびがにんげんにつかまったって!そりゃあいちだいじ。」と勘違い。
いらない鉄棒を叩いて、鉄の板を作り、鎧を作ります。豆をぶつけられても平気なように鎧を着て親分は人間の元へ向かいます。
人間の子どもたちとちび鬼は鬼ごっこで遊んでいました。そこへ鬼の親分が頭まで鎧をかぶってやってきます。子どもたちが豆をまくとちび鬼も一緒になって豆をまきます。鉄の鎧に豆が当たるとカンカンとやかましくたまりません。
親分が転び、頭の鎧が脱げると顔が見え、ちび鬼が「あれっ、おとうちゃんだ」と気付きます。
「なんだ、ちびちゃんのおとうさんか」と子どもたちみんなで起き上がるのを助けてくれました。「ぼくたち、ともだちになっちゃった。」とちび鬼が話し、親分はちび鬼が捕まったわけではなかったことを知りました。
そして、親分とちび鬼は豆を持って一緒に帰っていきました。
おすすめポイント
鬼は怖い!という固定概念を覆す、かわいいちび鬼が登場するお話です。大人の鬼が豆をまかれている横で「おいちいな」と豆を食べるマイペースさが愛らしいちび鬼。鎧を着た親分がやってきた時に、人間の子どもたちと一緒になって豆をまいている姿も笑ってしまいます。
せなけいこさんの、切り絵で作られた温かみのある絵本で、洋服の柄や鬼のパンツなど、どんな素材で作られているのかな?と想像を巡らせるのも楽しいです。また、会話だけで物語が進んでいくところも臨場感があり楽しいポイントです。
敵対していた人間と鬼がちび鬼を介して仲良くなるほっこりするお話で、鬼退治に使うはずの豆がすっかり気に入ったちび鬼が、袋に入れて豆を持ち帰っていく裏表紙のイラストも微笑ましいです。節分の定番絵本として、不動の人気を誇る一冊です。
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