福音館書店HPより表紙画像をお借りしました。
ぱくぱくはんぶん
作 渡辺鉄太
絵 南伸坊
発行 2017年4月
出版 福音館書店
ページ数 32P
おすすめの年代 3歳〜小学校低学年
あらすじ
おばあさんが大きなケーキを焼きました。
おばあさんは食いしん坊なおじいさんに、「ケーキはぜんぶたべたらいけないよ。はんぶんのこしといてね。わたしもあとでたべるんだから。」と言い残して出かけます。おじいさんは「もちろんもちろん」と言って半分食べます。
犬のジョンがやってきて、ケーキを見て「こいつはうまそう!」と言います。おじいさんは「はんぶんのこしとけよ、おばあさんのだからな」と言います。「もちろんもちろん」と言ってジョンは半分食べます。
猫のミーニャがやってきてケーキを食べたがりますが、ジョンは「はんぶんのこしときな、おばあさんのだから」と言います。ミーニャは「もちろんもちろん」と言って半分食べます。
その後、めんどりが来てその半分を、りすが来てそのまた半分を、かまきりが来てそのまた半分を、みつばちがきてそのまた半分を食べます。
戻ってきたおばあさんは小さくなったケーキを見て目をまんまるにします。みんなが口を揃えて「はんぶんのこしたよ!」と言いますが、おばあさんは「あたしのくちにはいるのは、はんぶんのはんぶんのはんぶんのはんぶんのはんぶんのはんぶんのはんぶんじゃないか!」と怒ります。
おばあさんに叱られてしょんぼりしたみんなは、おばあさんのためにそれぞれ美味しいものを持ち寄ります。
小さくなったケーキをみんなの贈り物で飾ったら、とても綺麗で美味しそうなデコレーションケーキが出来上がりました。おばあさんは機嫌を直して、「はんぶんのこしてくれてありがとう!」とにっこり笑いました。
おすすめポイント
ゆるりとした独特な可愛いイラストが印象的な絵本です。
ストーリーは繰り返しが楽しく、どんどん減っていくケーキにあれあれ…大丈夫かな?とドキドキします。おばあさんが「あたしのくちに入るのは、はんぶんのはんぶんの…」と怒って言っている場面では、ケーキがどんどん半分になっていく様子がイラストで描かれていて、月齢の低い子どもたちにも状況が視覚的にわかりやすいよう工夫されています。
また、動物たちの絶妙なネーミングやおとぼけな表情、しょんぼりした表情が可愛く、憎めないキャラクターたちも魅力的です。
食べてしまったお詫びに美味しいものを持ち寄ってデコレーションケーキを作るという、平和で幸せなラストも素敵で、読み終わった後にほっこり笑顔になる温かみのある一冊です。
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