KADOKAWA HPより表紙画像をお借りしました。
パンどろぼう
作 柴田ケイコ
発行 2020年4月
出版 KADOKAWA
ページ数 32P
おすすめの年代 3歳〜小学校低学年
あらすじ
町のパン屋から、手足の生えた食パンが、パンを担いで逃げていきます。
「おれはパンどろぼう。おいしいパンをさがしもとめるおおどろぼうさ。」
パンどろぼうは隠れ家に帰って盗んだ食パンを食べます。パンどろぼうは美味しいパンを食べるのが大好きです。
ある日、パンどろぼうは森の中で見たことのないパン屋さんを見つけました。「せかいいちおいしいもりのパンや」というお店でした。パンどろぼうはそおっとお店に入り、こっそり隠れてパンを盗みます。あまりの速さにパン屋のおじさんは気がつきません。
隠れ家に戻ったパンどろぼうは、大きなお口で盗んだパンを食べます。
まずい…
カンカンに怒ったパンどろぼうは、急いでパン屋に戻ります。「なんだこのまずいパンは!これがせかいいちおいしいパンだなんてみとめないぞ!」パン屋のおじさんはびっくりします。「パンがしゃべっているぞ。いったいなにものだ?」すると、パンどろぼうはパンの被り物を脱いでこう言います。「おれはパンじゃない!パンどろぼうだ!」正体はねずみだったのです。
パン屋のおじさんは驚きましたが、「そもそもぬすみはいけないよ。わたしもおいしくないパンをつくってわるかったが、きみもきちんとあやまってください」と言いました。パンどろぼうが盗んだことを謝ると、パン屋のおじさんはパンどろぼうも一緒にパンを作ることを提案します。
これまで世界中のパンを食べてきたパンどろぼうは、世界の美味しいパンを思い出し、何日もかけてとびきり美味しいパンを考えました。出来上がったパンは、ふわふわしっとりもっちもち。今までにない美味しさです。
森のパン屋はたちまちお客さんで大賑わい。本当に世界一美味しいパン屋になりました。パンどろぼうは立派なパン職人になったのでした。
おすすめポイント
パンどろぼうシリーズの第1作目です。
不思議な出立ちのパンどろぼう。盗みを働く悪者ではありますが、パンをこよなく愛していて、幸せそうにパンを食べる姿が可愛らしくどこか憎めません。
こっそり隠れながらパンを盗む様子も可愛くて面白く、思わず笑ってしまいます。そして苦労して盗んだパンがなんと…まずい…という意外な展開。このときのパンどろぼうの表情も見どころです。
優しいパン屋のおじさんのおかげで、泥棒からパン職人への転身を遂げたパンどろぼう。みんなが幸せになり、満足感いっぱいで読み終えられるところがパンどろぼうシリーズの魅力です。
個性的なキャラクターですが、見れば見るほど可愛く感じ、ハマってしまうパンどろぼう。同シリーズの絵本は複数ありますが、どれもストーリー展開が秀逸で面白く、お薦めできるものばかりです。
「パンどろぼうとなぞのフランスパン」の紹介はこちら。
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