ブロンズ新社HPより表紙画像をお借りしました。
りんごかもしれない
作 ヨシタケシンスケ
発行 2013年4月
出版 ブロンズ新社
ページ数 32P
おすすめの年代 4歳〜小学校低学年
あらすじ
ある日男の子が学校から帰ってくると、テーブルの上にりんごが置いてありました。
「…でも…もしかしたら これは りんごじゃないのかもしれない。」
もしかしたら大きなサクランボの一部かもしれない。あるいは剥いても剥いても皮かもしれない。ひょっとして赤い魚が丸まっているのかもしれない。
…といろいろな想像が広がります。
そもそも何でここにあるんだろう。僕を捕まえるための罠かもしれない。
この後りんごはどうなるんだろう。仲間を読んでみんなで故郷に帰るのかもしれない。
思い切って食べてみるのもいいかもしれない。すっごい辛いかもしれない。
でも…もしかしたら…やっぱり普通のりんごかもしれない…。
お母さんにりんごを食べていいか聞いて、食べてみます。
…うん おいしいかもしれない。
おすすめポイント
机に置いてあったりんごを見て、りんごについてひたすら色々な想像を繰り広げるお話です。あらすじは一部を抜粋していますが、本当にたくさんの「もしかしたら」が描かれています。
不思議な想像が全てイラスト化されているのが面白く、「中はメカがぎっしりなりんご」「育てて大きな家になったりんご」などワクワクする個性的な発想に、次は何が出てくるのかな…?とどんどん引き込まれていきます。
思考は過去や未来にも広がり、どんどん壮大になりますが、最後は「おいしいかもしれない」で締められるという、何ともシュールな結末です。
哲学的な話ですが、親しみやすくユーモアたっぷりのイラストで堅苦しさがなく、子どもたちが想像の翼を広げる後押しをしてくれます。お子さんと一緒に「もしかしたら…」を考えてみるのもお勧めです。何度も読み返したくなる、個性的で唯一無二の絵本です。
コメント