【絵本紹介】セミくんいよいよこんやです

3歳児おすすめ

教育画劇HPより表紙画像を引用しました。

セミくんいよいよこんやです

作・絵 工藤ノリコ

発行 2004年6月

出版 教育画劇

ページ数 28P

おすすめの年代 3歳〜小学校低学年

あらすじ

セミの幼虫がベッドで寝ています。電話が鳴りました。電話に出たセミの幼虫は「いよいよこんやです」と答えます。

電話の相手はカブトムシのお相撲さん。カブトムシはハチに電話します。ハチはアオムシに電話し、アオムシはスズムシの音楽家に電話し、スズムシの音楽家はホタルに電話します。そして、各々何やら準備を始めます。

夜の7時、セミの幼虫の目覚まし時計がなりました。セミの幼虫は地下の部屋を出て地上に顔を出します。木を登り、葉っぱにとまると…背中から成虫が出てきて、空を飛びます。

そして、セミを待っていた虫たちがパーティーを開きます。みんなが用意したご馳走を食べ、スズムシの演奏を聴き、ホタルのショーを楽しみました。

セミは「いきているってうれしいな」と木にとまって鳴きました。

おすすめポイント

ノラネコ軍団シリーズで有名な工藤ノリコさんの絵本です。セミが羽化する様子を分かりやすく、可愛く描いています。

特筆すべきはイラストの芸の細かさです。地下のセミの部屋が楽しそうな小物やおもちゃで充実していたり、カブトムシが相撲界で活躍している様子が見てとれたり、ストーリーに直接影響のない細かな設定が楽しく、何度も読み返したくなります。地上との連絡手段に黒電話がチョイスされているのも昔懐かしく良い味を出しています。

大勢でセミの歓迎パーティーをしている様子がほのぼのと可愛らしく、虫が苦手な子も楽しめます。「いきているってうれしいな」という前向きな言葉で締め括られる、幸せいっぱいの温かい絵本です。

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