ひさかたチャイルドHPより表紙画像をお借りしました。
ウッソースやきそば
作 ささきみお
発行 2021年4月
出版 ひさかたチャイルド
ページ数 32P
おすすめの年代 4歳〜小学校低学年
あらすじ
お昼時、とある焼きそば店にお客さんがやってきて、表の看板の『ウッソースやきそば』を注文します。
真っ黒な鉄板の奥の店長さんの目がきらりと光りました。
「なにをかくそうこのわたし、せかいじゅうのやきそばたいかいでゆうしょうをしてきたやきそばめいじん。そのなもウッソースやきそばともうします。そのわたしのなまえがついた『ウッソースやきそば』はなんたってざいりょうがスペシャルなんです!」
と話し始めます。
『ウッソースやきそば』の麺は中国のパンダが山奥で作った特別な麺で、キャベツは初めて月の畑で採れた『うちゅうキャベツ』、ソースは遠い砂漠の真ん中の秘密の谷で命懸けで汲んできたソースだと言うのです。
と、そこへ業者の人がソースを届けにやって来ます。お客さんは「どう言うこと?」と聞きます。
すると、麺もキャベツもソースもぜんぶ嘘の話で、『ウッソースやきそば』という焼きそばもないとカミングアウト。
お客さんはカンカンです。そこへ本物の店長さんが帰ってきて、「うではいいくせにうそばっかりついて、こまったやつだ!」とウッソースやきそばを叱ります。
ウッソースやきそばはお詫びに心を込めて「ごめんな さいこう やきそば」を作りました。さっきまで怒っていたお客さんは大喜び。ぜんぶ綺麗に平らげて、また来ると機嫌よく帰っていきました。店長ともう嘘はつかないと約束したものの、困ったことに約束したことを忘れてしまう、嘘が大好きウッソースやきそば。
店長さんの留守には気を付けて…。「じつはこのいか、すごいんですよ…。」別のお客さんにまたウッソースやきそばの嘘が始まります。
おすすめポイント
ほかほかの焼きそばがどーんと描かれ、思わず手を伸ばしたくなるような美味しそうな表紙です。お話の舞台はレトロな焼きそば店。自称店長はモジャモジャ顔の「ウッソースやきそば」。明らかに胡散臭い名前です。
材料の説明の場面で、パンダが山奥で麺を作っている様子や月でキャベツをとる様子、谷でソースを汲む様子など、あり得ない状況がイラストできっちり描かれているのが笑えます。そしてあっさりバレてしまい「ウッソ〜ス」と言うウッソースやきそば。何だかややこしいけれど、こんな言葉遊びが大好きな子どもたちは多いはず。
嘘はもうつかないと約束したのにあっさり忘れてまた嘘をついてしまうウッソースやきそば。「じつはこのいか、すごいんですよ…。」今度はどんな嘘が繰り広げられるのか、自分たちで考えて想像してみるのも楽しいです。
焼きそばのイラストがあまりに美味しそうで、読んだ後にはお腹が空いてしまうかも。個性的で斬新な、楽しい言葉遊びの絵本です。
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