すずき出版HPより表紙画像をお借りしました。
やきいもとおにぎり
作 みやにしたつや
発行 2019年12月
出版 すずき出版
ページ数 24P
おすすめの年代 4歳〜小学校低学年
あらすじ
野原でぶたくんが泣いていると、ねずみくんがやってきました。ねずみくんが泣いているわけを尋ねると…
おおかみくんが焼き芋を、ぶたくんがおにぎりを持っていました。「おおかみくんがやきいもとおにぎり とりかえてっていうから ぼくいいよっていったんだ。なのに、おおかみくん やきいもぼくにくれないで おにぎりたべていっちゃったんだ」
それを聞いたねずみくん、誰か呼んでくる!と言って走っていきます。そこでうさぎくんに会い、こう説明します。
「おおかみくんとぶたくんがやきいもとおにぎりをかえっこしたんだけど…おおかみくんがおにぎりをたべてから…ぶたくんのやきいもをとってにげちゃったんだって。」
それを聞いたうさぎくんは、誰か呼んでくる!と言って走っていきます。そこでさるくんに会い、こう説明します。
「おおかみくんがぶたくんをおにぎりにかえて…そのおにぎりをたべてたら…やきいもになっちゃったんだって」
さるくんは驚いて、誰か呼んでくる!と言って走っていきます。そこでたぬきくんに会い、こう説明します。
「ぶたくんがおにぎりをもってたら…おおかみになって…もってたおにぎりをたべたら…おおかみがやきいもになっちゃったんだ!」
たぬきくんは驚いて、誰か呼んでくる!と言って走っていきます。そこでかばくんに会い、こう説明します。
「ぶたくんが…おにぎりを…おおかみにかえちゃったんだ。そ、そのおおかみが…ぶたくんをたべようとしたんだ…そ、そしたら…なんとぶたくんがやきいもになっちゃったんだ」
かばくんは驚いて、「よーしぼくにまかせて!」と言ってぶたくんを探しにいきました。かばくんが走っていくと…おおかみくんがちょうど焼き芋を食べようとしていました。
かばくんは「だめだめー!ぶたくんをたべるなー!」と言っておおかみくんから焼き芋を取ると、「ぶたくんもうだいじょうぶだよ。さあおうちにかえろうね。」と焼き芋に向かって話しかけます。そしてぶたくんの家に着くと…
家からぶたくんが出てきたので、かばくんはびっくり。じゃあ、この焼き芋は誰?
おすすめポイント
ぶたくんの話した内容が、誰かに伝わる度にどんどん変わってしまう、伝言ゲームのようなお話です。伝える話に登場するのは、おおかみくん、ぶたくん、焼き芋、おにぎりだけなのに、伝わる内容はどんどん魔法のような不思議な話になっていきます。文章だけ読むとややこしいですが、それぞれが伝えた内容がわかりやすく絵になっているので、4歳くらいから楽しむことができます。
あり得ない話を信じて驚き、一生懸命他の仲間に助けを求めにいく動物たちの姿は、みんな素直で愛らしく憎めません。伝言は間違っていたものの、結果的にぶたくんの元に焼き芋が返ってきてめでたしめでたし!で纏まるラストもすっきりします。
少し大きいお子さんであれば、どこをどう間違えたんだろう?何がおかしかったんだろう?と遡ってじっくり考えるという楽しみ方もできます。おとぼけな愛らしい動物たちのやり取りから、言葉の難しさ、楽しさを知ることができるユニークな絵本です。
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